「使えない筋肉」論争はこれにて終了!

ボディビルダーや筋トレでマッチョになっている人々の不満は、苦労して手に入れた大きな筋肉を「使えない筋肉」と言われることのようだ。ツイートでも、そんな不満を書いている人をときどき見かける。

ボディビルは、筋肉を肥大させ、限界まで脂肪をそぎ落とし、その肉体美を競い合う、肉体的にも精神的にも大変厳しいスポーツである。彼らにしてみたら、自分の筋肉を「使えない筋肉」などと言われたら、そりゃあ、頭にくるのも当然だ。

だが、マッチョの皆さんには悪いが、現実には「使える筋肉」と「使えない筋肉」は存在する。ただし、これを正しく理解するには、次の2つのことを理解しなければならない。まあ、マッチョな皆さん、そう怒らずに聞いてください。

1つ目は、筋肉はただ1種類ではないということだ。

「そんなことは知っている!速筋と遅筋だろ!」という方がいるかもしれない。もう少し詳しい方は、「速筋にはもう少し種類があるはずだ!」というかもしれない。だが、筋肉はそんな数種類しかないのではない。無限の種類があるのです。

かなり簡単に説明するが、筋肉を形成してる最小単位はサルコメアである。さらに、そのサルコメアの内部では、ミオシンとアクチンというタンパク質が束になっていて、ミオシンの束がアクチンの束の上で滑ることで筋肉を収縮させている。

そしてそのミオシンは速く強いタイプや、持久力のあるタイプなど10種類近くあり、筋肉が成長するときに、筋肉が経験した動作に適応するように、遺伝子からいろいろなタイプが選ばれ様々な割合で組み合わされて古い筋肉と交換されるのである。

2つ目は、当たり前だが、スポーツもただ1種類ではないということだ。

オリンピック陸上競技の走種目で説明する。それらは、100m、200m、400m、800m、1500m、5000m、10000m、49.195km(マラソン)である。

面倒なので先に答えを言う。100m選手の筋肉はマラソン選手にとっては「使えない筋肉」で、逆にマラソン選手の筋肉は100m選手では「使えない筋肉」だ。当たり前だが、パワーとスピードが必要な筋肉は短距離向きで、持久力とスタミナが必要な筋肉はマラソン向きだからだ。このうち、100mから400mくらいなら、短距離向きの筋肉はある程度対応できるだろうし、長距離向きの筋肉は10000mとマラソンなら、何とかどちらでも対応できる程度である。

野球とサッカーでもいい。ホームランを打てる筋肉はサッカー選手にとって「使えない筋肉」で、強いシュートを蹴れる筋肉は野球選手にとっては「使えない筋肉」なのだ。

ご理解いただけただろうか。筋肉は1種類ではないし、スポーツも1種類ではない。スポーツに適した種類の筋肉が存在するわけだから、あるスポーツでは「使える筋肉」も、別のスポーツでは「使えない筋肉」だということだ。

そういうわけで、「使える筋肉」と「使えない筋肉」といった論争は、まったくもって無意味なのである。もう少し詳しい話は、また今度に。

皆さん、仲良くしてくださいね。
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筋トレ研究家 留金隆二

筋トレ研究家 留金隆二

筋トレとダイエットを中心に、健康とスポーツに関する話題を留金独自の視点でお届けします。
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